2023年4月、スポーツウエルネス学部開設——すべての人の生きる歓びのために——
立教大学
2023/06/20
トピックス
OVERVIEW
立教大学は2023年4月、コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科を改組し、スポーツウエルネス学部を開設しました。本学では15年ぶりとなる新学部。「すべての人の生きる歓びのために」を理念に掲げ、豊かで価値のある生き方の実現を目指します。
特別対談 学部開設によせて
(左)スポーツウエルネス学部 学部長 沼澤 秀雄、(右)立教大学 総長 西原 廉太
新学部はいかにして設立に至ったのか。新学部で展開される学びとは。
学部開設に深く関わってきた西原廉太総長と沼澤秀雄学部長に伺いました。
スポーツ系学部の設置は立教として必然の流れ
——学部新設に至った背景をお聞かせください。
沼澤 聖公会の先人が人間教育としてスポーツを重んじていたのであれば、本学がスポーツやウエルネスの考え方を取り入れた学部を設立するのは必然のことだと感じたのです。ここから、学部新設に向けて計画が具体的に進むことになります。
建学の精神を体現し地域・社会に奉仕する
——学部の理念についてお聞かせください。
西原 立教大学の建学の精神を表す「Pro Deo et Patria」というラテン語を直訳すると「神と国のために」となりますが、本学では「普遍的なる真理を探究し、私たちの世界、社会、隣人のために」と捉えています。「すべての人の生きる歓びのために」という理念は、まさに建学の精神を体現するものといえるでしょう。大学は教育・研究の場であると同時に社会貢献も担う場です。スポーツウエルネス学部は社会としっかり関わり、地域、そして世界に奉仕できる組織になってほしいと思います。
沼澤 コロナ禍によって、身体を動かすことやコミュニケーションの重要性を多くの人が再認識しました。このような経験を生かした教育も実践していきたいと考えています。
3つの領域を柱として現代に不可欠な学びを提供
——カリキュラムや人材育成の特徴を教えてください。
※2022年度までにコミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科に入学した学生も、スポーツウエルネス学部の学部共通科目・専門科目の履修が可能です。
西原 データサイエンスも英語もあくまでスキルでありツールです。スキルを身に付けることが目的ではなく、それを使って何をするかが大切なのです。コロナ禍を例に挙げると、パンデミックが社会や人々の心身にどのような影響を与えるのかを研究する上で、データサイエンスや英語のスキルを持っているとアプローチの幅が格段に広がります。新入生たちにはそうしたスキルも十分身に付けることを期待しています。
新座キャンパスには、400mトラック×6コースを備えた全天候型の陸上競技場「セントポールズ・フィールド」(左)や50mの室内温水プール等のスポーツ施設が揃う。スポーツデータの収集や解析を行う設備も充実(右)
新座キャンパス活性化の核となる新棟
——学部新設による他学部への波及効果や、2025年竣工予定の新棟についてお聞かせください
スポーツウエルネス学部の拠点となる新棟のイメージ図(2025年1月、新座キャンパスに竣工予定)
西原 新棟はスポーツウエルネス学部の立ち上げに伴って計画されたものですが、他学部の学生も活用できる新座キャンパスの核として機能してくれると期待しています。環境への配慮はもちろん、インクルーシブやダイバーシティといった要素も重視したいと考えており、建物自体がSDGsの教材になるのではないでしょうか。
学びのリソースを全ての学生に活用してほしい
——読者へのメッセージをお願いします。
立教大学スポーツウエルネス学部開設記念講演会
全学部に展開するスポーツ関連科目
スポーツスタディ1(アダプテッドスポーツ)
実技を通してアダプテッドスポーツ(しょうがい者スポーツ)への理解を深め、しょうがいの有無にかかわらずスポーツを楽しむ能力・見識を養う。同時にコミュニケーションスキル、自己表現、リーダーシップ等の能力も身に付ける。
スポーツスタディ1(はじめての器械運動)
マット、跳び箱などを通して、身体を操る力を身に付ける。入門者・初心者対象は「スポーツスタディ1(はじめての柔道)」「スポーツスタディ4(はじめての和太鼓)」「スポーツプログラム1(はじめてのバレエ)」など。
スポーツスタディe(オンデマンド)
体調管理や健康の維持・増進を基本に、年齢や性別、体力、運動技術に関係なく、自宅で楽しむことを重視したトレーニングを実際に体験。実技と講義で構成される授業は全回オンデマンドで行う。
身体科学からの学び
「ジェンダー・スタディーズからの学び」「身体動作を力学的に解釈するためのバイオメカニクス」「からだとスポーツ・身体活動」「サプリメントと日本人」といった多彩なテーマ・サブタイトルで科目を開講。
スポーツの科学
スポーツ科学の視点から、世界で活躍するアスリートの心・技・体に焦点を当て、「競技スポーツ」の全貌に迫る。競技スポーツで展開されるプレーをさまざまな視点から「みる」ことから、人生を歩いていくための“ヒント”を見つける。
スポーツとメディア
スポーツ記者を長く務めてきた毎日新聞論説委員が、スポーツとメディアの関係や報道の役割について、自らの経験も踏まえて講義。SNSの発展でメディアが変革期を迎える中、スポーツジャーナリズムの将来も展望していく。
アウトドアの知恵に学ぶ
狩猟、漁労、採集などを源流とする、人が生きるために見いだしてきた生活技術。こうした「アウトドアの知恵」を知ることで自然と人間の本質的な関係を振り返り、持続可能な社会の在り方を考えるヒントとする。
※本記事は季刊「立教」264号(2023年4月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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