さまざまな職業を経て立教大学の教員に。サステナブルな社会の構築に寄与したい。
スポーツウエルネス学部 奇二 正彦准教授
2023/11/15
研究活動と教授陣
OVERVIEW
文学部史学科の卒業生で、スポーツウエルネス学部准教授の奇二正彦さんにお話を伺いました。
もともと歴史が好きだったため、文学部史学科に入学しました。今でも覚えているのは、文化人類学の先生によるチベットの砂絵の話です。砂絵は宗教画なので儀式が終われば風や水で流されますが、残すことよりも描いているときの宗教体験が大事だというのです。「大切なのは結果ではなく過程かもしれない。狭い価値観に縛られた道の外には別の世界観があるはずだ」と気付きました。また、旅やスキー、登山にも熱中。印象的だったのが、濁川孝志※1先生が誘ってくださった、カナダのユーコン川でのカヌー旅です。野生動物に対する恐怖、オーロラの美しさ、ふかふかのコケの上に張ったテントの最高の寝心地……この2週間の体験は強烈でした。
就職活動を前に、初めて自身のアイデンティティーについて考えました。そこで「自然」「アート」「教育」の3つの軸が浮かび、これらに関わりたいと考えるようになりました。海外のアートスクールから帰国した後、偶然手にした本で知ったインタープリター※2という仕事にひかれ、養成講座を経て環境教育系NPOで働き始めました。その後は動物カメラマンの助手や展示デザイナーなどの仕事を経験し、立教大学のキャンプやスキーの授業のサポートも行いました。他人からは場当たり的な人生に見えるかもしれませんが、損得に左右されない価値観が3つの軸と共に存在し、それに突き動かされてきたのだと思います。これまでの経験や思いを濁川先生に話したところ、それは「スピリチュアルペイン」と呼ばれ、学問として研究されていることを知りました。そこから働きながら大学院で学ぶことを決意。45歳で博士課程を修了しました。
スポーツウエルネス学部の教員となった今、かつて自分が思い描いていた教師像を実践しています。今後は自然体験と健康との関係を探究し、サステナブルな社会の構築に寄与していきたいと考えています。
※1 濁川孝志:名誉教授。元コミュニティ福祉学部教授。
※2 インタープリター:自然学校などで自然の大切さや素晴らしさを伝える人。
就職活動を前に、初めて自身のアイデンティティーについて考えました。そこで「自然」「アート」「教育」の3つの軸が浮かび、これらに関わりたいと考えるようになりました。海外のアートスクールから帰国した後、偶然手にした本で知ったインタープリター※2という仕事にひかれ、養成講座を経て環境教育系NPOで働き始めました。その後は動物カメラマンの助手や展示デザイナーなどの仕事を経験し、立教大学のキャンプやスキーの授業のサポートも行いました。他人からは場当たり的な人生に見えるかもしれませんが、損得に左右されない価値観が3つの軸と共に存在し、それに突き動かされてきたのだと思います。これまでの経験や思いを濁川先生に話したところ、それは「スピリチュアルペイン」と呼ばれ、学問として研究されていることを知りました。そこから働きながら大学院で学ぶことを決意。45歳で博士課程を修了しました。
スポーツウエルネス学部の教員となった今、かつて自分が思い描いていた教師像を実践しています。今後は自然体験と健康との関係を探究し、サステナブルな社会の構築に寄与していきたいと考えています。
※1 濁川孝志:名誉教授。元コミュニティ福祉学部教授。
※2 インタープリター:自然学校などで自然の大切さや素晴らしさを伝える人。
『立教大学校友会報 No.462』より抜粋しています。
インタビューの全文は、校友会Webサイトでご覧いただけます。
インタビューの全文は、校友会Webサイトでご覧いただけます。
※本記事は季刊「立教」265号(2023年7月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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プロフィール
PROFILE
奇二 正彦
1999年文学部史学科卒業。環境教育系NPO、動物カメラマンの助手などの仕事を経験。
2020年に大学院コミュニティ福祉学研究科コミュニティ福祉学専攻博士課程後期課程修了。博士(スポーツウエルネス学)。
2023年4月から現職。
奇二 正彦准教授の研究者情報