公開講演会「ニーチェの「キリスト教」批判再考——「弱者」/「強者」とは誰のことか?——」
INFORMATION
ニーチェがキリスト教を「末人」たちが考案した「弱者の道徳」として完膚なきまでに批判し、そのうえで、「超人」たちが新たに掲げるべき「強者の道徳」を、「力への意志」という概念にもとづきつつ構想したことはよく知られている。こうしたいわば雄々しい主張は、しかし同時に、「強者」による無制約な「力」の行使を容認する「暴力」賛美的な思想であるという誹りを免れないであろう。こうした典型的なニーチェ批判に回収することのできない「力への意志」の教説の真意を、1880年代の膨大な遺稿群を紐解きつつ明らかにしてみたい。
特定質問者として、ニーチェを専門と本学で兼任講師を務める梅田孝太氏からコメントをいただく。
講師
盛岡大学文学部教授
齋藤 直樹 氏
東北大学文学部卒業(1993年)、同大学大学院文学研究科博士前期課程修了(1997年)、同研究科博士後期課程単位取得退学(2000年)。東北大学より博士(文学)の学位を取得(2003年)。日本学術振興会特別研究員(PD)、東北大学大学院文学研究科助教等を経て、2009年、盛岡大学文学部准教授、2014年より同学部教授。平成17年度日本倫理学会「和辻賞」佳作受賞。専門は近現代ドイツ哲学。共著に『21世紀の哲学史』昭和堂、2010年、共訳書にリチャード・バーンスタイン『根源悪の系譜—カントからアーレントまで』、法政大学出版局、2013年、他多数、論文「ツァラトゥストラの『言語』—情動的言語使用の音楽的基礎」『理想』No.684、2010年、他多数。
上智大学特任助教、本学文学部文学科文芸・思想専修兼任講師
梅田 孝太 氏
上智大学文学部卒業(2004年)。同大学大学院文学研究科博士前期課程終了(2006年)。上智大学より博士(文学)の学位を取得(2014年)。上智大学中世思想研究所特別研究員PDを経て、現在上智大学基盤教育センター特任助教。また2018年より本学文学部文学科文芸・思想専修にて兼任講師を務める。専門は近現代ドイツ哲学。主著に『ショーペンハウアー欲望にまみれた世界を生き抜く』講談社現代新書、2022年、『ニーチェ外なき内を生きる思想』法政大学出版局、2021年、他多数、論文に「ニーチェ思想における徳としての正義——懲罰主義に対する批判」『哲学』No.73、2022年、他多数。
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