【変更】公開講演会「カーボンニュートラルの社会実装を目指す欧州グリーンディール—その現状と課題」
INFORMATION
12/1追記
【変更】
開催形式を対面からハイブリッド型に変更しました。
本公開講演会は、市村清新技術財団地球環境研究助成「欧州グリーンディール具体化のための新産業戦略と日EUグリーンアライアンス」(研究代表:蓮見雄、本学経済学部教授)の活動の一環として行われる。2019年末にEUが新たな成長戦略として公表した欧州グリーンディールは、カーボンニュートラルを目指す世界で最も体系的な政策である。同政策は、2020年7月にCOVID-19危機を契機として合意された復興基金の中核に位置づけられ、資金的裏付けを得て、2021年7月に「持続可能性(sustainability)の主流化」を目指す政策パッケージ(Fitfor55)が示された。同年5月には、日EUグリーンアライアンスが合意されている。さらに、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を契機として、EUは、脱ロシア依存の実現を目指すREPowerEU計画に取り組み、グリーンディール産業計画を打ち出している。そこで中心的な課題となっているのは、各産業の特性を踏まえて、如何にしてカーボンニュートラルを具体化していくのかという移行経路(transition pathways)問題である。言い換えれば、欧州グリーンディールは、まさにカーボンニュートラルの社会実装に取り組んでいる。本研究は、欧州グリーンディールの具体策としての欧州新産業戦略に焦点を当てることによって、EUにおける脱炭素経済への移行経路の現状と課題を明らかにするとともに、日EUグリーンアライアンスを通じた日本への影響について分析を行う。欧州グリーンディールに対する欧州産業の適応と産学官連携に基づく移行経路の共創過程の分析により、日本の脱炭素経済への移行経路を考える上で有益な示唆を得ることが期待される。そこで、本研究プロジェクトの共同研究者による研究成果に加えて、海外の環境法規制、エネルギー政策分野における総合コンサルティングを行っているエンヴィックス有限会社(EnviX)と共催で、すなわち産学連携に基づいて本公開講演会を開催する。
講師
司会・コーディネーター
神奈川大学経済学部助教
道満 治彦 氏
報告者
本学経済学部教授
蓮見 雄
京都大学大学院経済学研究科再生可能エネルギー経済学講座教授
安田 陽 氏
主要業績:『世界の再生可能エネルギーと電力システム全集』(単著、インプレスR&D、2021年)。
エンヴィックス有限会社上級研究員・取締役
村松 悦三 氏
欧州の環境規制情報を中心に調査、研究を行い、企業向けのコンサルティング、講演、レポート執筆等を行っている(EU及び加盟国における電気電子製品、自動車、電池関連の環境規制動向調査/EUエコデザイン規則案の審議動向、DPP要求事項、業界動向調査/EnviX世界ウェビナー:2021年EU電池規則案の概要及び審議動向など)。青山学院大学の寄付講座「環境問題と社会」において「環境問題への国際的取組み」を担当(2014~21年)。
関西大学商学部教授
高屋 定美 氏
主要業績:『欧州グリーンディールとEU経済の復興』(編著、文眞堂、2023年)、『沈まぬユーロー多極化時代における20年目の挑戦』(編著、文眞堂、2021年)、『検証欧州債務危機』(単著、中央経済社、2015年)。
詳細情報
名称
内容
・「欧州の電力システムと電力市場」:安田陽氏
・「バッテリー規則とDPPの先行事例としてのバッテリー・パスポート」:村松悦三氏
・「EUのサステナブル・ファイナンスがめざすもの:その現状と評価」:高屋定美氏
対象者
申し込み
主催
共催
備考
・EnviX社の資料等の展示、販売。
・以下の役割分担で、カーボンニュートラルの社会実装を目指すEUの試みと日本企業への示唆に関する個別相談を受け付ける。
(1)EUエネルギー・環境政策、産業戦略、水素、金属鉱物資源(蓮見雄、EnviXスタッフ)
(2)電力システム、電力市場、風力発電(安田陽氏、EnviXスタッフ)
(3)EV、バッテリー、エコデザイン(村松悦三氏、他EnviXスタッフ)
(4)サステナブル・ファイナンス、タクソノミー、非財務情報開示(高屋定美氏、EnviXスタッフ)
(5)再生可能エネルギー関連(道満治彦氏、EnviXスタッフ)