公開シンポジウム「「アジアン・ヘイト」とはなにか——「いま」の依拠する歴史と構造」

INFORMATION

  • 2022年1月22日(土)14:00~17:00
  • オンライン開催

合衆国におけるアジア系住民を狙った憎悪犯罪の報道が、耳目を集めるようになって久しい。この事態は、同国で 70 万人以上の命を奪ってきた新型コロナウィルス感染症の責任を、「中国」に帰そうとした前大統領に助長されたと見なされている。これは、パンデミックのいわゆる猛威が、「アジア人」への憎悪の形で現れていること、ひいてはパンデミックというもの自体が、公衆衛生上の事件にとどまらず、政治的・文化的事件でもあるということを明示している。だが、同国において、アジア系への偏見や差別はいまに始まったことではない。アメリカ社会は、長く放置してきた問題への直面を、むしろ改めて強いられているのだ。本シンポジウムでは、歴史学、社会学、政治学の領域で、同問題を先端的に考究してきた研究者を招聘し、現状況を出来させた歴史と構造の両方を解き明かすことを目的とする。

講師

同志社大学グローバル地域文化学部教授
和泉 真澄(いずみ ますみ) 氏

同志社大学大学院アメリカ研究科博士課程修了。博士(アメリカ研究)。同志社大学言語文化教育研究センター准教授などを経て、2013年より現職。専門は、日系アメリカ人・日系カナダ人文化史。著書に『日系カナダ人の移動と運動——知られざる日本人の越境生活史』(小鳥遊書房、2020、2021年度国際カナダ研究カウンシルPierre Savard賞・外国語出版賞受賞)、The Rise and Fall of America’s Concentration Camp Law: Civil Liberties Debates from the Internment to McCarthyism and the Radical 960s (Temple University Press, 2019)、『日系アメリカ人強制収容と緊急拘禁法——人種・治安・自由をめぐる記憶と葛藤』(明石書店、2009年)がある。

立命館大学国際関係学部教授
南川 文里(みなみかわ ふみのり) 氏

2001年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学、2006年博士号取得。神戸市外国語大学准教授、カリフォルニア大学バークレー校エスニックスタディーズ学部客員研究員などを経て、2016年より現職。専門は、社会学・アメリカ研究。著書に『アメリカ多文化社会論【新版】——「多からなる一」の系譜と現在』(法律文化社、近刊)、『未完の多文化主義——アメリカにおける人種、国家、多様性』(東京大学出版会、2021年)、『「日系アメリカ人」の歴史社会学——エスニシティ、人種、ナショナリズム』(彩流社、2007年)などがある。

高崎経済大学経済学部准教授
三牧 聖子(みまき せいこ) 氏

2012年東京大学大学院総合文化研究科博士号取得。米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教等を経て、現職。専門は、国際政治学、平和思想、アメリカ研究。主な著書に『戦争違法化運動の時代——「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年、2015年度アメリカ学会清水博賞)、共訳書にヘレナ・ローゼンブラット著『リベラリズム——失われた歴史と現在』(青土社、2020年)などがある。

討論者

本学社会学部助教、アメリカ研究所所員
明戸 隆浩

司会

本学文学部文学科英米文学専修教授、アメリカ研究所所長
新田 啓子

詳細情報

名称

公開シンポジウム「「アジアン・ヘイト」とはなにか——「いま」の依拠する歴史と構造」

内容

和泉 真澄 氏
「労働・病原菌・人種——コロナ黄禍論からひも解くアジア系アメリカ史」
南川 文里 氏
「もうひとつのアジア系差別?——エリート大学における「公平な入試」論争から考える」
三牧 聖子 氏
「ヘイトの時代と政治研究」

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 必要
  • 参加費 無料

以下のwebサイトよりお申し込みください。

主催

アメリカ研究所

備考

お問い合わせ

アメリカ研究所事務局(担当:三浦)

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