オンラインミートアップ「古いデータを新しいシステムに——アーカイブズの編成・記述・メタデータ」
INFORMATION
当センターでは2020年度から、アーカイブズ記述国際標準に準拠したオープンでフリーのアーカイブズ資料情報管理システムAccess to Memory(AtoM)関連のイベントを継続に実施し、主としてAtoMの導入に関する課題を検討してきた。そうした中で繰り返し課題として挙げられたのが、スプレッドシートなど多様な形式で、システム外で作成された記述データの処理である。その一方で、システム更改にあたり、旧システムから新システムにデータを移行する際(そしてその行き先がAtoMのようなアプリケーションの場合)の課題については未検討であった。
そこで今回は、現行システムに搭載されているアーカイブズ記述が抱える課題を洗い出し、AtoMのような国際標準準拠のシステムの導入が課題解決につながりうるかを検討中の橋本陽氏(京都大学大学文書館)、また、現在運用中のOMEKAを用いたシステムの更新にあたり、AtoMも含めた他のシステムについて様々な検証を行っている元ナミ氏(東京大学文書館)のお二人にお話を伺う。
その後、参加者とのディスカッションを通して、アーカイブズ資料情報管理システムと、アーカイブズの編成・記述・メタデータのあり方について検討する。
スピーカー
東京大学文書館・デジタルアーカイブ部門助教
元 ナミ(ウォン ナミ) 氏
2016年から京都大学大学文書館助教。2020年3月、学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻博士後期課程単位取得退学。2021年4月より現職。研究テーマは、日本と韓国を中心とした地方公文書館の設立と運営拡大に関する国際比較研究。論文に「イングランドの地方公文書館における外部資金の活用」(京都大学大学文書館研究紀要(18) 37-51、2020年)、「韓国における地方公文書館設立の可能性とその意義:ソウル特別市の事例から」(学習院大学人文科学論集(24) 223-251、2015年)など。
京都大学大学文書館助教
橋本 陽 氏
2017年3月、学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻博士後期課程単位取得退学、2020年4月より現職。研究テーマは、資料整理方法の国際比較および電子記録の長期保存。近著は「アーカイブズ学の視点から捉える電子記録管理システムの要点:DoD 5015.2のアルフレスコによる検証」(京都大学大学文書館研究紀要(19)29-43、2021年)、"The clash between domestic and Western traditions: Japanese understanding of the archival principles", Archives and Manuscripts 49(1-2): 133-148, 2021など。