公開講演会「人とひとが「まち」を育てる -ポートランドのまちづくりから学ぶ担い手のあり方」
INFORMATION
オレゴン州最大の都市であるポートランド市は、豊かな自然と、農業やハイテク産業等の活力ある地域産業の隆盛によって著しい人口増加が見られている。ここでは、住民による自治が進められ、これをサポートする行政プロセスを導入した住民主体のまちづくりを行ってきた。そうした結果、いまや「全米一住みたいまち」と呼ばれるようになっている。
一方、日本の多くの地方の行政は、行政プロセスへの僅かな住民参加が進められるばかりで、「住民主体の自治」とは程遠いのが現状だ。これは単に文化や制度的な差異ばかりではなく、市民、行政、企業等の担い手のそれぞれの行動はもとより、その根底にある意識に大きな差があるものと言えよう。
オレゴン州ポートランド市地域における市民、NPO、行政、ビジネス、そして大学との関わり方について、学術と実践の立場から関わってきたポートランド州立大学の西芝雅美行政学部長・准教授を招き、ポートランドや周辺地域で起きている具体的な事例を切り口としながら、ポートランドにおける自治によるまちづくりの本質を踏まえ、参加者自身が関わるコミュニティや地域とポートランドとの共通点/相違点を認識し、とくに社会デザインを担う人材のあり方について、具体的に探究する機会とする。
講師
ポートランド州立大学ハットフィールド行政大学院、行政学部長、准教授、パブリック・サービス研究・実践センター副所長、JaLoGoMa(まちづくり人材育成)プログラム ディレクター
西芝 雅美 氏
大阪大学文学部英語学科卒業後、関西経済連合会国際部に勤務。日英会議通訳者に転職し、実務経験を積み、1991年に渡米。1998年にPSUのコミュニケーション学で修士号、2003年にPSUの行政・公共管理学で博士号を取得。専門分野は市民参加、米国地方政府研究、研究手法、統計学、多文化共生、異文化間コミュニケーション等。2004年以来、東京財団主催の地方自治体中堅職員向けの研修プログラムの一環として米国ポートランドでの研修を企画・実践(Japanese Local Government Managers Training Program (JaLoGoMa))。「現場で役立つ研究」をモットーに実務家との協働、連携による応用研究のプロジェクトを多く手がける。プロジェクト事例として、オレゴン州政府の給与の公正性調査/ポートランド市公園局の成功指標の作成/オレゴン州クラカマスカウンテイー政府における週4日勤務体制の試験的実施の成果評価/ワシントン州ロングビュー市役所の多文化共生の実態評価/オレゴン州のメドフォード警察/ワシントン州のカークランド、レドモンドおよびウッジンビルの地域消防庁のめの戦略計画の作成等。著書に、「日英対訳:地方行政を変えるプロジェクトマネジメント・ツールキット:自治体職員のための新仕事術」(ぎょうせい、2007)、“Research Methods and Statistics for Public and Nonprofit Administrators: A Practical Guide” (Sage, 2013) 、“Culturally mindful communication: Essential skills for public and nonprofit professionals”(Routledge, 2017)等がある。英日会議通訳としては元アメリカ大統領ジミー・カーター氏、マイクロソフト社CEOビル・ゲイツ氏、ナイキ社CEOフィル・ナイト氏、元首相竹下登氏など数多くのVIPの通訳も担当。
21世紀社会デザイン研究科特任教授(モデレーター)
亀井 善太郎
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- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料
主催
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21世紀社会デザイン研究科委員長室
月~木 11:30~18:00