陸前高田プロジェクト2021年度(オンライン実施)体験談

鮎瀬 玖愛さん(法学部法学科2年次)

2021/10/18

RIKKYO GLOBAL

OVERVIEW

2021年度、2020年度に続きオンラインで実施した、陸前高田市の方々と立教生・海外大学生(スタンフォード大等アメリカの大学・香港大・シンガポール国立大)が共に考えるプログラム「陸前高田プロジェクト」。
参加者のひとり、鮎瀬玖愛さん(法学部法学科2年次)にお話を伺いました。

「陸前高田プロジェクト」は、東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市でフィールドワーク(4泊5日)を行い、同市の現状や課題を共有し、陸前高田市の方々や参加者全員が共に様々な問題について考えるプログラムです。2013年度からパイロットとしてスタートし、正課科目として毎年実施しています。2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し現地でのフィールドワークを行うことができず、正課外プログラムとして2日間でオンライン形式のプログラムを実施しました。2021年度は正課科目としてこの形式を踏襲し、立教生のみが参加した2回の事前研修を行った後、8月26日~9月2日の8日間、オンライン形式でプログラムを実施しました。

参加大学は立教大学に加え、アジアより香港大学、シンガポール国立大学、米国よりカリフォルニア大学サンタクルーズ校、スタンフォード大学と、計18名がオンラインで共に課題に取り組みました。

オンライン陸前高田市復興ツアーの様子

今回取り組んだテーマは、「陸前高田市の歩みから持続可能な都市について学び、地方都市が持続可能な都市となるために自分たちにできることを考えよう——SDGs Goal 11「住み続けられるまちづくりを」 の視点から—— 」。2020年度と同じテーマですが、より時間を掛けることにより考えを深めることができました。

プログラムでは、陸前高田市からのオンライン復興ツアーに加え、市で事業を営む複数の方々と中継をつなぎ、現在の様子を見せていただくとともに東日本大震災の被害と復興について、そして、現在取り組んでおられる事柄についてのお話をうかがいました。それぞれ異なる立場の方々からのお話を聞くことで、テーマを多角的な側面から捉え、グループごと活発な意見交換を行いました。

プログラム終盤には、各国・地域の様々な現状を踏まえたマクロな視点のみならず、自分たちのコミュニティを住み続けられるものにするために、「自分が」どんな行動をしていけると考えるかをまとめていきました。最終日に行った報告会は、陸前高田市よりお話いただいた皆さんにもご参加いただき、お話から学んだ内容、SDGs Goal 11「住み続けられるまちづくりを」の観点から検討した内容をグループごとに発表し、報告会参加者全員で共有しました。

最終報告会の発表の様子

鮎瀬玖愛さん(法学部法学科2年次)

参加体験談(鮎瀬 玖愛さん)

今回のプログラム参加の動機を教えてください。

大学2年生の夏に何か大きなものに取り組みたいと思っていた時に、陸前高田プロジェクトというものがあることを知りました。将来、自分の地元に密着した職業に就きたいと考えていて、またSDGsにも興味があったことから、プログラムのテーマに関心を持ち、参加を決めました。また、海外の学生とコミュニケーションをとる機会も貴重だと思い、英語でのプログラムに少し不安はあったものの、挑戦することにしました。

最終報告会で発表する鮎瀬さん

鮎瀬さん(プログラム中の様子)

テーマに即して、考えたことを教えてください

持続可能なまちづくりは、現在ではどのコミュニティにおいても必要なものだと考えています。今回のプロジェクトでは陸前高田市の実践的な様子をうかがいましたが、まちづくりのためのアプローチには様々な方法がありました。陸前高田市は一つの例であり、他の場所ではその場所なりの方法があると思います。また、維持するためのまちづくりに加え、発展するために広く発信していく必要もあります。その中で最も重要だと感じたのは、人同士の繋がりです。何事も基盤となるのは人と人の関係性であり、私自身も大切にしたいと思いました。

プログラム中に印象に残ったことを教えてください

海外の学生と何度も意見交換を行ったことです。プログラム中には、全く異なるバックグラウンドを持つメンバーとディスカッションをする機会が多くありました。彼らが持つ価値観や考え方は、今まで自分が抱いていたものと異なる部分も多くあり、そういった新たな発見は、とても刺激的でした。そしてそれらの意見を肯定し、尊重し合う空気が感じられたことが良かったです。私は自分の意見や考えを共有することに躊躇してしまうことがあったのですが、どんな意見も受け入れてもらえる温かい雰囲気の中で、自信を持って発信できるようになりました。プログラム中に何度も聞いた「There is no wrong answer. Everyone has value.」という言葉がとても印象に残っています。

国際交流×地域交流のプログラムに参加して、特に学んだことがあれば教えてください。

私は国際交流と地域交流は全くの別物だと捉えていました。しかし、自分が所属するコミュニティについて、海外の学生と話し合ったり陸前高田の方々のお話をうかがったりする中で、それぞれが自分のコミュニティに対して自信や誇りを持ち、何ができるかを主体的に考えているという共通した姿勢を感じることができました。一見離れているように見える二つの関係性ですが、それらを交えることで、その瞬間でしか生まれなかった新たな思いやアイデアに出会えたように思います。

震災後に復活を遂げた八木澤商店。去年仲間とオープンした、発酵がテーマの商業施設「CAMOCY」から

陸前高田市の憩いの場「りくカフェ」を営み、地域の健康増進にも取り組む皆さん

「カフェフードバーわいわい」の店長のお話。商店街の連携強化を目指し、地域のハブとなる「たまご村」もスタート

陸前高田プロジェクトでの学びを今後どのように活かしていきたいと思いますか。

海外の学生との意見交換や陸前高田市との交流を経て、学んだことが本当にたくさんありました。まちづくりの点に関しては、最も基本となる人同士の繋がりが大切だと感じたので、様々な人との関係性を広く持ち、深めていきたいと思います。また海外との交流は刺激的で学びも多くあったので、これからもそういった交流に積極的に取り組んでいこうと思いました。一番大きな気付きは自分の言葉で自分の意見を発信する重要性だったので、その感覚は忘れずに、大学や社会の中で活かしていきたいです。

今後、陸前高田プロジェクトへの参加を考えている学生に向けて、メッセージがあればお願いします。

もし参加を考えているのであれば、前向きに挑戦してみてください。私自身、参加する前には考えもしなかった気付きや発見が多くあり、とても貴重な経験になりました。また、全て英語でのプログラムに不安も感じていましたが、コミュニケーションをとり、お互いに分かり合おうとすることの楽しさを肌で感じました。ぜひ、積極的に参加してほしいと思います。

最終報告会。陸前高田市から中継で講話を届けていただいた方々にもご参加いただきました

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