被災地とつながる立教人~校友会だより~
株式会社八木澤商店会長 河野 和義 さん
2022/01/19
立教卒業生のWork & Life
OVERVIEW
2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年。被災地に身を置く立教大学の卒業生は何を思うのか。岩手県陸前高田市のしょうゆ蔵「八木澤商店」の会長、河野和義さん(1969年法学部卒業)にお話を伺いました。
人とのつながりに支えられ陸前高田市で伝統のしょうゆを次代に残す
河野さん(写真中央)と現地を訪れた学生たち
八木澤商店は江戸時代中期に酒造蔵として創業し、現在はしょうゆと味噌を中心に製造する醸造業の老舗です。
震災当日は、イベントの会議のために東京にいました。陸前高田市へ帰る新幹線の中で地震に遭い、地元へ戻ることができたのは4日後。家族全員無事だったものの、お店や工場、そして長年受け継がれてきた「もろみ」は全て流されてしまいました。「会社は自分の代で終わりだ」と諦めかけましたが、震災から1カ月後に息子が「跡を継ぐ」と言ってくれたのです。その熱意と前向きな姿勢に胸を打たれ、店の再建へと動き出すことを決めました。
震災当日は、イベントの会議のために東京にいました。陸前高田市へ帰る新幹線の中で地震に遭い、地元へ戻ることができたのは4日後。家族全員無事だったものの、お店や工場、そして長年受け継がれてきた「もろみ」は全て流されてしまいました。「会社は自分の代で終わりだ」と諦めかけましたが、震災から1カ月後に息子が「跡を継ぐ」と言ってくれたのです。その熱意と前向きな姿勢に胸を打たれ、店の再建へと動き出すことを決めました。
奇跡的に見つかった震災前の「もろみ」で仕込んだしょうゆ
その後、震災前に取材をしてくれた記者の方を通じて、約7700人もの方が激励のお手紙や寄付金を送ってくださいました。また、立教大学時代の同級生が精神的にも物理的にも支えてくれ、人とのつながりが自分にとって一番の財産であることを改めて実感。創業200年の歴史の中で培ってきた人とのつながりと、被災後に生まれた新たなつながりを大切にし、これからも前を向いて歩いていきたいと考えています。
『セントポール 立教大学校友会報 No.454』より抜粋しています。
会報は校友会Webサイトでもご覧いただけます。
会報は校友会Webサイトでもご覧いただけます。
※本記事は季刊「立教」258号(2021年11月発行)をもとに再構成したものです。定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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